ネガティブアプローチとは?
もし、あなたの書いたコンテンツが、まったく成果につながらないとしたら、あなたはどうしますか?
文章の書き方を工夫し、キーワードやテーマをチェックし、知り合いに読んでもらい…おそらく、とても不安な気持ちで自分自身のコンテンツを見直すことでしょう。
でも、ちょっと待ってください。そもそも、そのコンテンツは、人間の購買心理に即したモデルになっていますか?
米国ダイレクトレスポンス広告の第一人者と呼ばれるドルー・エリック・ホイットマンは、誰にでも共通する基本的な欲求を「Life-Force 8」として
- 生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい。
- 食べ物、飲み物を味わいたい。
- 恐怖、痛み、危険を免れたい。
- 性的に交わりたい。
- 快適に暮らしたい。
- 他人に勝り、世の中に後れを取りたくない。
- 愛する人を気遣い、守りたい。
- 社会的に認められたい。
私たちにとって、これらは生存と種の繁栄に関わる根源的な欲求であり、広告は、この8つにできるだけリアルに働きかけるように作るべき、というのがドルーの主張の骨子です。
そして、今回紹介する「ネガティブアプローチ」は、これらの「~したい」が「もし~できなかったら?」と問いかけることで、ユーザーが潜在的に持っている問題意識や不安を思い出してもらい、それを解決する手段を紹介することで、その手段に対する必要性を強く感じてもらい、コンバージョンにつなげよう、という手法です。
このことは、教育の世界でよく使われる「レディネス」という言葉とも共通します。よい教師はいきなり教えるのではなく、生徒がその知識や内容を受け入れる「準備ができている(レディネス)」状態を作り出してから教えるということで、自分に関係ありそう、必要そう、大切そう気持ちを持たせ、知りたいという欲求を生み出してから教えるそうです。
ネガティブアプローチも、まず最初に問題提起から始め、次にその解決策、解決策の「今だけ」「ここだけ」「これだけ」アピールによって行動につなげるという点では、上で挙げた、欲求を生み出し、それに働きかけるアプローチ手法といえます。
問題提起から書き始める
ネガティブアプローチでは、その言葉の通り、日常でユーザーが感じているであろう「ネガティブ」をまず挙げます。
その「ネガティブ」は、ユーザー自身の抱える「ネガティブ」の場合もあれば、何らかの商品やサービスが抱える「ネガティブ」の場合もあります。前者は例えば「私たちがおいしいと感じているものは、多くが肥満や三大成人病などのリスクを増すかもしれません。あなたはどうしますか?」というような働きかけで、後者は「梅雨の時期、洗濯物の臭いに悩まされていませんか? 実は、当社の従来品では繊維に入り込んだ最近にはアプローチできていませんでした…」のような感じでしょうか。いずれも、ユーザーが困っているようなこと、悩んでいそうなことを挙げ、ユーザーの興味(注意)をひき、問題意識を高めようとしています。
このように問題提起からスタートする作品は、広告コンテンツだけでなく映画でも、小説でも、ドキュメンタリーでもとてもよく見かけますね。それだけパワフルな手法だということができます。
ギャップの大きさが勝負
このネガティブアプローチで重要なことは何か?それは「ギャップ」です。
何のギャップかというと、最初のネガティブから、解決手段の提案によりそれが解決されるポジティブへの転換。そこでのギャップが大きければ大きいほど、ネガティブアプローチの効果は高まります。
皆さんには、どんな困りごと悩みごとがありますか? そしてその中で、気になるし、解決したいがなかなか解決できないものは何ですか?そしてもし、それを(本当に)解決してくれるサービスや商品があったらどう思いますか? ここで重要なことは、困りごとや悩みごとには「大きさ(深刻さ)」と「感じやすさ」の2つの時期がある、ということです。
たとえば、生命を脅かすような重大な困りごと、悩みごとは、大きさは極めて大きいですが、感じやすさとしてはそれほどいつも感じるものではありません。それに対し、靴に小石が1個入っている状態ですと、大きさはそれほど大きくありませんが、一歩歩くごとに感じます。
ギャップというと、どうしても困りごと、悩みごとの大きさに目が行きがちですが、感じやすさにも注目すると、日常の中でひょっとすると「風景の一部」になってしまっているかもしれない困りごとや悩みごとに気が付けるかもしれません。そして、そのような困りごと、悩みごとの解決手段を提示できれば大きなインパクトがあるでしょう。
ですので、解決されていない状態と、解決後の状態のギャップを大きくしたければ、大きさと感じやすさの2つの軸から、自分や自社が扱うコンテンツが何を解決しうるかを考えながら、困りごと、悩みごとを探していきましょう。
ネガティブは諸刃の剣?
ネガティブアプローチは、たとえて言うなら、一度ユーザーを水の中に突き落として、そこから浮かび上がろうとするユーザーの力を利用する手法です。
私たちは、日常の安定している状態から不安や不満のある状態に陥ると、様々な努力をして元の安定した状態に戻ろうとする本能があります。この、元の安定した状態に戻るためにこんな助けがありますよ、という提案を行うのがネガティブアプローチの本質なのですが、人間の心に訴えかける分、注意すべき点があります。
まず第一に、事実以上の恐怖や不安を与えないこと。これは、倫理的なもの以上に、法律的にアウトです。誇大広告と呼ばれるものの多くは製品の品質を実際以上にアピールすることです。その製品が解決できない問題を挙げ、それが解決できる!とするのは誇大広告です。「がんが治る」「やせる」「若返る」などは、先ほどでいえば、大きさ、感じやすさともに非常に大きな困りごと、悩みごとですが、実際にそれを一つの手段で解決するのは現状、ほぼ不可能でしょう。
先ほどギャップのお話をしましたが、ギャップを無理に大きくしようとして「盛る」ことでこの落とし穴にはまりやすくなりますので、注意してください。
次に気を付けたいのが、同業他社に対する批判的な内容です。確かな証拠に基づいたうえでの比較であれば問題はないのですが、印象操作になるような、誹謗や中傷は絶対にNGです。なぜなら、誹謗や中傷をしてしまうと、その内容が仮に正しかったり、正鵠を得ていたりしても、誹謗や中傷をした人や会社は「そういう(誹謗や中傷をする)会社や人なんだな」と思われてしまいます。すると、ブランド戦略やイメージ戦略に計り知れないダメージを受けてしまいます。
ただ、例外的に飲料大手ペプシコ社が行っているプロモーションキャンペーン「ペプシチャレンジ」のように、絶対的な1位が業界内にある中で、だれもがジョークと分かる方法で(ペプシコ社は本気かもしれませんが)競合を「いじる」手法はあるにはあります。
ただし、この場合もアンケートや試飲などのファクトをもとにした比較、という形式をとっており、このことからも、競合を批判する場合は細心の注意を払うべき、と言えるでしょう。
最後に、多くの人は心理的に、不安や不満を感じると神経が鋭敏になり攻撃的になる傾向があるそうです。ネガティブアプローチは、不安や不満にアプローチする分、そのような副感情の影響も受けやすいといえるでしょう。TVCMだけでなく、ネット広告や個人の発信に至るまで、非常に「炎上」しやすいといわれる現代では、ネガティブな内容を扱う場合は細心の注意を払うべき、と言えるでしょう。あくまでファクト(事実)ベースで、客観性を保ったアプローチを心掛けてください。
PASONAの法則
皆さんは、「PASONAの法則」というフレームをご存知ですか?
経営コンサルタントの神田昌典氏が提唱した、セールスレターを書く場合のフレーム(枠組み)であり、顧客心理と、その変化に着目したモデルで大きな成果を収めました。
PASONAとは- Problem(問題提起)
- Agitation(あぶりだし)
- Solution(解決策提示)
- Narrow Down(絞り込み)
- Action(行動)
自分が扱う商品やサービスをこのフレームに当てはめて考えるだけで、効果的なセールスレターが作れるということで、とくにダイレクトメールなどの業界で支持を得ました。
ちなみに、神田氏はこのPASONAの法則を改良した「新・PASONAの法則」を提示しており、それは
- Problem(問題提起)
- Affinity(親近感)
- Solution(解決策)
- Offer(提案)
- Narrow Down(絞り込み)
- Action(行動)
変わっている部分が「Agitation→Affinity」と、「Solution→Solution+Offer」という部分ですね。まず、「Agitation」については、「不安を煽り立てる」という誤解(やりすぎ)が多かったことを神田氏が問題視し、ここで必要なのは、コンテンツ制作側が、ユーザーと同じ悩みや痛みを持っていることを具体的なストーリーや描写を活用して伝え、ともに解決する立場にある、という親近感が大切として変えたものです。この、「同じ立場で、パートナーとして寄り添って問題解決に向かう」というスタンスは非常に大切です。
そして、「Solution+Offer」と分解したのは、これまでですと、解決策と提案が混ざってしまい、解決策を提示しているのか、商品の提案をしているのかわかりにくい表現になってしまうことが多かったうえに、解決策と提案が一緒になってしまうと、なんとなく押し売りを受けているような気持になってしまうユーザーが多かったため、まず解決策だけを提示して、それに納得感を持ってもらったうえで、値段や契約条件などの提案を行う、という風に、ユーザーの理解や意思決定を助けられる上に、購買につなげやすいよう改善されたものです。いずれも、様々な情報に触れ、いわば「目の肥えた」ユーザーに対し、確実にアプローチできるようにブラッシュアップされたもの、といってよいでしょう。
ここで気が付いてほしいことは、ユーザーの不信や不安を生み出さないよう細心の注意が払われている、ということです。先ほども紹介しましたが、ネガティブアプローチでは、ユーザーの不安や不満を喚起する部分があります。そして、それら「もやもやしたいやな感じ」から生まれる懐疑的な視線は、コンテンツにも向けられます。
「本当に信じられるのか?」その疑念を強めるようなアプローチは、ネガティブアプローチの時こそ避けたほうがよいでしょう。
ペルソナから始めよう
PASONAの法則にのっとったコンテンツを成功させるためのポイントは、最初のProblemがどのぐらい「ああ、そうなんだよ」と思ってもらえるか、です。ここで外してしまうと、即離脱になりますので注意してください。
なお、Problemを挙げる際に参考になる、人間の根源的な欲求については、この記事の冒頭に挙げたドルーの「Life-Force 8」が参考になります。世の中には本当に様々な人がいますが、どの人でも基本的には、8つの欲求のどれかを満たすために行動しますので、自分の扱う商材がどの欲求に関わるものなのかを考え、カテゴリの絞り込みを行って、その中で生まれそうなProblemを挙げていきます。
ところが、「快適に暮らしたい」という欲求ひとつとっても、そのあらわれ方と、そこから生まれるProblemは人によっても、また環境によっても異なります。ですので、アプローチする欲求の範囲を考えたら、次にその中でユーザーが典型的・象徴的に抱えるProblemとは何か、を考えていきます。ここで役に立つのが、マーケティング手法のひとつである、「ペルソナ(架空の典型的なユーザー像)」と、そのペルソナの購買行動である「カスタマージャーニーマップ」です。
ペルソナについては、これまでは「ユーザー像」のような形で扱われてきました。例えば、「東京都在住 30代 既婚(子どもなし)年収600万 賃貸マンション在住」のような感じですね。ペルソナでももちろん、これらの情報は設定していきますが、ここからが違います。ユーザー像の時、多くのアプローチは「そういう人にどうやってアプローチしよう?」という発想でした。それに対しペルソナでは、「そういう人はどういう意思決定をするのだろう、そして、それに影響を与える過去・現在・未来の要因はなんだろう? そう考えると、どうアプローチしたらいいのだろう?」と、架空のユーザーの「スペック(持ち物やステイタス)」だけでなく「意志」にフォーカスし、その意志を生み出す要因を可能な限りリアルに詰めていくことで、「いつ」「どこで」「なにを」「どのように」提示するのか、そしてそれは「なぜか」に迫ろうとしている点に大きな違いがあります。
それは、前者のユーザー像が多くの場合統計的なバックボーンを持つのに対し、後者のペルソナは、文化人理学や行動心理学などのバックボーンを持つ、という違いも大きいでしょう。そして、最初にこのようなペルソナを設定しておくことにより、PASONAの法則における「カスタマージャーニーマップ」も描きやすくなります(なお、PASONAの法則はほとんどカスタマージャーニーマップ作成の手順と変わりませんので、ここでは2つを厳密に区別しません)。
ですので、最初の一歩であるProblemを考える際に、リアルな手ごたえのあるProblemにするためにも、そして、その後のアプローチの精度を高めるためにも、まずは時間をかけてペルソナを作りましょう。
ペルソナの作り方ですが、基本的には「考えやすいところ」たとえば、性別や年代、年収などのあまり悩む余地がないところから決めていきます。次に、「男性で30代、年収500万だったらどんな仕事してる?」と、決まった情報をもとに連想的に考えていきます。ここでは、何人かで意見を出し合って、その折衷案をとったほうがよいでしょう。
その際注意したいのが、「既婚である、未婚である」「男性である、女性である」のように、どちらかによって状況が大きく変わる要素です。男性用化粧品のようにまあ大体「男性」が前提、ブライダル商品のようにまあ大体「未婚」が前提、という場合は良いのですが、どちらでもいい、という場合は2通り作ってみるのをお勧めします。ただ、ここで注意したいのが、ペルソナは「典型的・象徴的なユーザー像」で、体感的にまあ過半数以上のユーザーはカバーするでしょう、というスタンダードだという点です。「こういう場合もあるじゃないか」という意見を取り入れすぎると必要以上に煩雑になり、本質からもずれてしまうので注意してください。
そして、基本情報とそこからの芋づるで現在の情報を決めたら、次に過去に何があって今の状況があるのかを考えます。
人間の意思決定に影響を与える過去の出来事の代表的なものは、
- 職歴、学歴(とその形成に関わる就職、転職活動や受験など)
- 家族や恋人、友人を中心とした周囲の人物との出会いや関わり
- 部活動や趣味などでの成功・失敗体験
ここでもあまり凝りすぎても仕方がないので、大きく影響を与えるものを決めていきます。 例えば、「金融業界に就職したのは、銀行員だった父の影響が大きいが、安定志向というよりは、日本や世界の厳しい金融業界の状況を責任感を持って乗り切ってきた姿にあこがれたから。部活動も中学、高校、大学と新しい種目に挑戦するなど、挑戦思考で新しいものが好き。そういった性格と、父の助言もあり近い将来FINTECの時代が来ることを考え、大学は情報工学を専攻した」のように考えていくことができるでしょうか。
過去と現在がある程度決まったら、未来を考えていきます。ここでは、キャリア志向とライフワークバランスの2つから主に切っていくと良いでしょう。
キャリア志向とは、「自己実現型」「評価獲得型」の軸と、「挑戦型」「安定型」の軸でマトリクスを作って、その中のどこに位置するかを考えていくと良く、その基本志向に合わせて将来のキャリア設計などを考えていくと良いでしょう。
ライフワークバランスでは、重要なライフイベント(いわゆる冠婚葬祭や病気、プライベートでの目標など)を簡単に決めておくと良いでしょう。
そして、これらの過去・現在・未来の状況を俯瞰しながら、「じゃあ今、この人はどんな問題を抱えているだろうか?」と考えていくと、ペルソナに即したProblemが作れるでしょう。
具体性が成功のカギ
- 輝くようなみずみずしいフルーツが山盛りになっている
- 心地よいピアノの音色と、人々の話し声がBGMとなったカフェ
- 触れたときに、まるで上質なクリームのような滑らかさと柔らかさを感じる泡
この3つのうち、どれが一番「響き」ますか?
教育やビジネス、カウンセリングなどの世界で利用されることがある、NLP(神経言語プログラム)の提唱するモデルのひとつに、「VAKモデル」というものがあります。Vとは「視覚(Visual)」、Aとは「聴覚(Auditory)」、Kとは「触覚(Kinesthetic)」のことで、私たちは誰でも、どれかの感覚が優位で、その優位な感覚に従って物事を受け止める、という理論です。
さて、「具体性が成功のカギ」という見出しでなぜVAKモデルの話から始めたかというと、このVAKに即した描写と、ストーリーを描くこと、エビデンスを正確に示すことの3つが、具体化のカギとなるからです。
まず、シーンの描写ではVAKのすべてを満たすような記述を心掛けましょう。その際の参考としては、商品解説では柔軟剤や化粧品などが役に立つでしょう。
そのような、直接的にVAKに関わるような商品でない場合でも、例えばPASONAのProblemやAgiritation(Affinity)の部分では、VAKすべてを満たすような表現を考えてみて、どうしても難しい場合はVだけでも満たすことを考えてください。 これだけで、ユーザーがイメージしやすい具体的な場面描写に近づきます。
次に、ストーリーですが、これは論理的な「話の筋」と、感情的な「感情の揺れ動き」を絡み合わせて書いていく、ということです。「新しいコンディショナーは、枝毛の発生を30%抑制します」という文よりも、 「新しいコンディショナーを使う前、毎朝洗面台に立つたびに、枝毛が増えているのではないか、そんな心配をして鏡をのぞき込み、指に触れる枝毛の感触にため息をついていた。しかし、このコンディショナーを使ったとき、何かが違う、と感じた。枝毛がなくなったわけではない。だが、確かに少なくなった手ごたえがあった。髪をすり抜けるときの、指の感触の変化。30%は思ったより大きな変化だと、嬉しい気持ちで思った。」という文のほうが、「筋」があるので理解しやすいですし、感情移入しやすいのではないか、と思います(ついでに、VAKも盛り込んでみましたがいかがでしたでしょうか)。
最後に、エビデンスを正確に示すことです。「中高年でもスマホを使う人が増えています」よりも 「総務省が毎年行っている「通信利用動向調査」によれば、スマートフォンの個人保有率は2013年に前年代の平均で39.1%だったものが、2017年には60.9%と、保有率では21.8%の伸びを示し、全体として半数以上がスマートフォンを保有するようになっています」と書いたほうが具体的ですね。
具体的に書く、ということはなかなかその実態がつかみにくく、ともすればただ冗長な文章を書くのが具体的、と誤解されてしまうこともあります。ですので、もし具体性を増そうと考える際に参考になる基準が必要なら
- VAKモデル
- ストーリー(話の筋と感情の揺れ動き)
- エビデンスを正確に示す
まとめ
ネガティブアプローチは、困りごとや悩みごとという人の欠けた部分、「欠点」にフォーカスすることで、興味をひき、共感を生み、その後の成果につなげやすいパワフルな手法でしたね。
そのモデルとしては、「PASONAの法則(新・PASONAの法則)」がありました。このモデルに当てはめる形でライティングを進めれば、全体の方向性は大丈夫だとして、その質を高めるためには、まず「ペルソナ」を設定すると効果的だということと、具体性が大切、という説明をしてきました。
最後に、ネガティブアプローチをとる際に大切にしてほしい姿勢をお伝えします。
ネガティブアプローチとは、決してネガティブな内容を扱うことに本質があるのではなく、多くの方が抱える問題をしっかりと分かっていること、そして、その解決に向かって真摯にサポート、フォローしていくことを伝えることに本質があります。それを間違えると、誇大広告まがいのコンテンツにすぐになってしまうのがネガティブアプローチの最も注意すべき点であるといってよいでしょう。
ネガティブな内容ほど、客観的、具体的に。 その解決法は、誠実に、過大でも過小でもなく伝えることを心掛けてください。あくまで、ユーザーのよりよい意思決定をサポートするのが、このアプローチの目的なのですから。