新サービスを成功に導くテストマーケティング!目的と手法について徹底解説

新しいサービスや商品を世に出したいけど、本当に利益を出せるだろうか。どんなに自信があるものであっても、多くの場合、そうした不安を無くするのは難しいことです。運を天に任せて販売して、膨大な在庫を抱えたり、開発費用を回収できなかったりすれば会社に大きな打撃を与えてしまうことになります。

そんなリスクを避けるために、テストマーケティングは有効な手段です。テストマーケティングの具体的な内容や手法、成功事例、注意点などを解説します。

テストマーケティングの意味

テストマーケティングとは、全国で正式に販売を行う前の試験的な販売を指します。やり方としては、限られた地域のみで少数に対して販売するか、サンプルで商品を販売するかなどです。オンラインのみで行う方法もあります。

テストマーケティングの目的

テストマーケティングは以下のような目的で行われます。

リスク軽減

これまでなかった新商品を販売することで会社は利益を獲得する可能性がありますが、思うように売れなかった場合は、費用をかけて作ったたくさんの在庫を抱えて大きな損失となることもあります。テストマーケティングを行うことで、本格的に販売する前に問題点を抽出でき、それを改善することが可能です。

ターゲットの明確化

多くの商品は特定の性別や年齢層などに向けて販売されますが、いざ販売してみると、想定した層以外から好評を得ることがあります。その場合、本格的に販売するまでに軌道修正したほうがよいので、テストマーケティングを行うことが有効です。

客観的な判断

商品を作る際は、会社としては顧客のニーズに合致するよいものだと考えますが、実際はそうではないということもあり得ます。テストマーケティングでは、商品を作った側の目線ではなく、消費者側の目線による客観的なデータを事前に抽出できます。

効率的な生産計画の立案

その商品が売れる速度やリピート率などをデータ化できるため、本格的に生産する際、無駄をなくし、効率的な生産計画が立てられます。

テストマーケティングの手法

具体的にテストマーケティングはどのような方法で行われているのでしょうか。以下のように、オンラインとオフラインの手法があります。

オンライン

インターネット上で行うテストマーケティングには主に以下の4つの方法があります。

アンケート

テストマーケティングを行った際、ホームページ上でアンケートに回答してもらいます。多くのユーザーにとって、手軽にこたえてもらいやすいため、アンケート結果を集めやすいです。特典やプレゼントをつけると、さらに集めやすくなります。

キャンペーン

時期を限定して、無料サービスや料金の割引、プレゼントなどを行い、商品を試してもらい、ニーズを探ります。もちろん、その期間で離れてしまうユーザーもいますが、そのまま継続してもらえる可能性もあります。

SNS

SNSの場合、商品の情報を発信するだけではなく、次々と情報を共有(シェア)したり、実際に商品を試した人の反応を探ったりが可能です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット上に自分の夢は新たなサービスや商品を発表し、支援者や購入者を募り、広く世の中に伝えます。会社ではなくても、個人でも行えるので、ハードルが低く、資金もすぐに集まるというメリットがあります。

クラウドファンディングのサービスは、「READYFOR」「CAMPFIRE」「makuake」「Kibidango」などがあります。

オフライン

インターネット上ではなく、対面で行うテストマーケティングには以下のような例があります。

イベントや展示会

商品やサービスに関するイベントや展示会、セミナーを行い、来場者の反応を調査します。インターネット上よりは費用や手間がかかりますが、場合によってはマスコミの取材も入るため、マーケティングと同時に宣伝にもなります。

モニター調査

サービスや商品をターゲットとなる層の方に実際に使用してもらい、感想を対面で直接調査します。アンケートに書かれていない内容の話題も聞ける可能性があり、それが改善点を探るヒントになることもあります。

サービスや商品を提供する地域を絞って調査を行うという方法もあります。日本でテストマーケティングを行うのに適した地域は、広島、静岡、福岡などです。新しいものに対して反応する層が多く、規模が大きすぎず、小さすぎず、他の地域への波及効果も望める、そんな地域が適しているとされています。

テストマーケティングの成功事例

テストマーケティングの実行によって、成功をおさめた商品の事例をご紹介します。

花王ヘルシア

テストマーケティングの場として選ばれやすいのがコンビニエンスストアです。不特定多数のお客様が来るため、テストマーケティングに適しています。

花王ヘルシアは、当初は関東・甲信越地方のコンビニエンスストアに絞って限定販売を行っていました。ターゲット層となる、メタボリックシンドロームに悩む中高年のビジネスマンの多くが立ち寄るというデータがあったためです。1年半の期間、コンビニエンスストアでの売れ行きは好調であったため、満を持して全国販売を行い、大ヒット商品となっています。

セブンゴールド

コンビニエンスストアといえば、手軽というイメージがあり、高級品を買うという発想はありませんでしたが、セブンイレブンは通常よりも価格の高い食パンのブランド「セブンゴールド」を販売し、ヒット商品になりました。

セブンゴールドの場合は、目に見えている顧客のニーズではなく、未だに可視化されていないニーズを取り込んだことにより成功を勝ち取りました。

テストマーケティングを行う際の注意点

期間ではなくアクションの数をKPIに

期間を限定して行うことが多いですが、実際に購入や使用など、ユーザーがアクションをし、その結果をデータとして集め、商品の改善につなげる必要があります。オンラインの場合は、より多くの人に商品やサービスを知ってもらうために、サイトやページにアクセスを増やすことが肝心です。

競合他社による模倣を防ぐ

テストマーケティングの期間中、よい反応が得られた場合、競合他社によって模倣されてしまう可能性があります。場合によっては模倣品こそがオリジナルと思われてしまう可能性もあるでしょう。特許申請や商標登録を行っておくと、そのリスクは軽減されます。

まとめ

テストマーケティングにより、在庫を抱えてしまうリスクを軽減するだけではなく、商品やサービスをよりよいものに改善し、その完成度を高めることも可能です。

オンラインで行うテストマーケティングでは、アクションにつなげるために、まず多くの方の目に留まる必要があり、動画広告が有効な手段になります。テストマーケティングについて詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

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